確かなものなど何も無いこの世の中で、自分という存在、果てはこの世界を、
少しでも強く、少しでも確かなものとして感じたいと、僕は、僕の魂は欲している。
そして、人を愛すること、どこかへ旅をすること、
一枚の絵を描くことが、生に対して確かな実感を与えてくれる。
絵を描くことは、宇宙の始まりからバトンを受け継いだ自分という存在を、
混沌の世界から捉え、
えぐり出し、そして写し取る作業。
その存在を捉えるためにはしっかりとした目が必要だ。
まずは何よりも、見なければ。
そして、体と心で力いっぱい感じなければならない。
また、目を鋭くする、体と心を鋭くするためには
沢山の感動や苦しみを経験しなければならない。
そうやって、世界を感じ、自分の存在を感じて生きて行くために、絵を描く。
絵を描くことは、生きる事なんだ。