僕の制作における基本的な流れは、始めにカオスを作り、そこから自然と浮かび上がってくる「何か」を描くというものでしたが、数年前からは新たに風景画にも挑戦するようになりました。
そこからは、現在暮らしているドイツの街並みを描いてきましたが、前回帰秋した際に、ふと、今度は僕の生まれ故郷であるこの街も描いてみたい、という強い衝動に駆られました。ただそれは、単に秋田の観光名所を、というのではなく、より自分にとって思い入れの深い場所、それは小学校の登下校の道であったり、友人とよく遊んだ場所だったりと、自分の記憶に宿っている、より個人的な風景を描きたい、と思いました。
ということで、今回は5月から8月半ばまでの間、秋田に滞在し、地元である下北手、手形地区周辺を散策しながら、当時の記憶を頼りに、強く心に残っている建物や風景をその場でスケッチし、それを元にキャンバス画を制作しました。
秋田では11年振りとなる本展示では、これらペン画13枚とキャンバス画8枚を皆さまにご覧いただきます。
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